2012 年 7 巻 2 号 p. 399-408
東北地方太平洋沖地震に伴う津波により発生した震災廃棄物の中には,比較的大きながれき類が処理された後,もしくは,同時に,木くず,コンクリートくず,廃プラスチック類等の混ざった泥状物等(津波堆積物)が相当量(約1,300~2,800 万トン1)と推計されている)存在することが確認されている。環境省「東日本大震災津波堆積物処理指針」によれば,有効利用可能なものは有効利用を優先しつつ,有効利用できないものについては適切な処理2)を行う必要があるとされている。著者らは,従来より破砕・拡散混合技術を用い,産業副産物の有効利用3)や,不法投棄案件の処理を行ってきた。今回,実際の津波堆積物を使用した試験施工等を行い,破砕・拡散混合技術により,津波堆積物が,がれき類と改質された土壌とに効率的に分別され,有効利用できることを確認したので報告する。