2013 年 8 巻 2 号 p. 265-284
関東地方で収集された482の繰返しせん断試験の結果を基にして,実務でよく用いられる応力-ひずみ関係モデルのパラメータを設定した。モデルは双曲線モデルとその拡張モデルおよびRamberg-Osgoodモデルである。その結果,拡張モデルは応力-ひずみ関係として不都合があること,個々の繰返しせん断試験のフィッティングでは調整用パラメータの数が多いRamberg-Osgoodモデルの方が双曲線モデルより誤差が多いケースが多く,特に減衰特性のフッティングを視野に入れたケースは誤差が多いことがわかった。次に,初期有効拘束圧,塑性指数,細粒分含有率,および平均粒径を用いてモデルパラメータを最小自乗近似した。この際,砂質土,粘性土といった大分類から,地質年代と堆積環境を考慮した詳細な分類まで各種の分類法ごとにパラメータを求め,モデルを適用し誤差を求めたところ,粘性土では初期有効拘束圧と塑性指数を考慮するケースが,砂質土では初期有効拘束圧と平均粒径を考慮するケースがもっとも相関性が高く,詳細な分類の方が誤差は小さいことがわかった。これらを考慮して,前述の分類ごとに数式モデルのパラメータの決め方を提案した。