抄録
戸建住宅で一般的に用いられている地盤調査法の一つに,スウェーデン式サウンディング試験がある.この調査法の長所は,宅地地盤の支持力の評価を可能とし,かつ比較的容易に地層の境界を捉えることができるところにある.一方,短所としては,地下水位や詳細な土質判別が難しい点が挙げられる.このように,スウェーデン式サウンディング試験結果のみから得られる情報だけでは, 宅地地盤の評価は不充分な場合がある.もし,スウェーデン式サウンディング試験孔を利用して,電気検層法から土の判別を行うことができれば,詳細な地盤情報を得ることができる.その基礎的研究として,筆者らは室内実験で56種類の試料土を用いて電気比抵抗を利用して土の細粒分含有率の評価法を明らかにすることを試みた.また,測定孔の大きさが電極径に与える影響を明らかにした.さらに,原位置試験として,塩化カリウム溶液を自然地盤の孔中に満たし,電気比抵抗による推定式の妥当性を検証した.