2024 年 3 巻 論文ID: 2024_008_OA
【目的】地域在住高齢者が主体で運営する通いの場における作業療法士による関わりとして,生活行為の向上を目的としたプログラムを考案・実施しその実施可能性および有効性を検討した。【方法】対象は住民主体の通いの場に参加している地域在住高齢者12名(平均年齢±標準偏差:80.0±1.2歳)とした。プログラムは月1回1時間を2回実施した。1回目に事前に作成した不自由を感じている生活行為への対処法をまとめた冊子を用い,参加者個々がやってみたい対応法を参加者間,および開催者と相談しながら参加者自身で決定した。1か月間対応策を参加者に実施してもらい,2回目にプログラムに対する感想や対抗策の遂行度・満足度および対応策によって生活行為が楽になったかを調査した。【結果】プログラム内容,作成した冊子は参加者から好評であった。対処法実施1か月後参加者の半数の実行度,満足度が増加し,8割以上の参加者が対応策によって生活行為が楽になったと回答した。【結論】本プログラムは,地域高齢者主体の通いの場における作業療法士などの保健医療専門職が実施するプログラムの選択肢のひとつとなり,地域高齢者の生活行為向上に役立つ可能性がある。