家族介護者に対するより良い支援の構築に資する新たな実証的知見を得ることを目的とし,2023年7月に要介護認定者と同居し,主たる介護に従事する介護者を対象に回答選択式Web横断調査を実施した.得られた718人の回答を用い,先行研究が示す家族介護規範意識と諸要因(介護者の年齢,介護期間,客観的介護負担,主観的介護負担,心理的ストレス,身体症状,被介護者の要介護度)の関連を統合した仮説モデルを多変量解析により検証した.その結果,仮説モデルの妥当性が支持され,家族介護規範意識が主観的介護負担のみならず,直接あるいは間接的に客観的介護負担および心理的ストレス,身体症状の自覚の程度に影響を与えることが立証された.支援者は介護者の状況がその背景に存在する規範意識の影響下にあることを理解し,客観的介護負担を適切にアセスメントした上で,介護者を全人的に捉えた支援策を構築することが重要である.