本研究は,これまで個別に検討されてきた現代日本人の援助要請に関わる諸要因を包括した概念モデルの妥当性を先行研究から検討し,心身相関の視点から実証的に検証可能な仮説モデルの立案を目的とした.援助要請に関する39件の和文論文の内容をKJ法を用いて整理した結果,援助要請の前提となる7つの「困り事」(「育児」「受診困難」「介護困難」「不登校」「学校生活」「雇用環境」「高齢者の孤立」)が抽出された.「困り事」を抱える当事者は心身不調を自覚し,援助を要請し適切な支援を得ることで不調が低減されていた.心身不調の改善につながる「困り事」の解決に必要な援助要請に至る過程には,個人特性とソーシャルサポートから構成される援助要請抑制要因,促進要因が存在し,援助要請に関わる諸要因の包括的モデルの妥当性が確認された.以上を基に,将来的に社会調査の手法を用いて実証的に検証可能な新たな仮説モデルが考案された.