在宅ケアにおける市保健師と訪問看護師との連携状況と促進要因を明らかにし、両者の連携促進のあり方について検討した。A県11市の保健師368名と訪問看護師384名を対象に無記名自記式調査票を郵送で配付回収した。回収率は市保健師175 名(47.6%)、訪問看護師176 名(45.8%)。連携の割合は市保健師・訪問看護師ともに低かった。連携「有」と関連していたのは、市保健師は、現業務での在宅療養者(児)との関わり「有」、「訪問看護師と常に或いは機会があれば情報交換している」「訪問看護ステーションの活動内容を知っている」の3項目、訪問看護師は、「管理職」「常勤」、連携等研修会の参加経験「有」、「市保健師と常に或いは機会があれば情報交換している」「市保健師の活動内容を知っている」「市保健師との連携強化はとても必要である」の6項目だった。両者とも「相手と常に情報交換し連携して活動する方がよい」「今後、相手との連携強化がとても必要である」と回答した者は、役割認識得点、役割期待得点の両方が高かった。両者の連携促進のためには、市保健師の在宅ケアへの関心を高め、その活動を増やすこと、両者の情報交換の場づくり、連携教育の必要性が示唆された。