2006 年 2 巻 1 号 p. 66-72
高齢者専門病院における長期入院患者の人院長期化の要因を患者,家族,医療,看護要因の4つの視点から事例分析し,看護職者の退院支援の課題を検討した。首都圏の高齢者専門病院の4つの一般病棟に21日以上入院し,研究協力に承諾した33名を対象とした。文献検討により35項目の調査票を自作し,約2ヵ月の調査期間に看護記録と診療記録から患者,家族,看護,医療に関する要因のデータを収集した。その結果,入院長期化の患者要因では,転倒リスクが高く介護認定を受けていない人が過半数であった。家族要因では,約半数が退院意向が不明であった。看護要因では,退院カンファレンスや家族指導の情報記載が少なかった。医療要因ではリハビリテーションの継続が最も多く,医師からの退院理由,時期,退院先の説明に関する記録は20%の事例に限定されていた。要因間の関連から検討した入院長期化のタイプは,【Ⅰ. 家族要因脆弱】【Ⅱ. 要因間調整円滑】【Ⅲ.退院予測不明医療優先】【Ⅳ.医療・家族意向未調整】【Ⅴ. 療養環境退院阻害】の5つが明らかになった。看護職者は,患者の入院長期化の各要因の問題に応じて適切な退院支援をする必要があることが示唆された。