日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第45回日本家庭科教育学会大会
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被服製作の家庭科的意義の検討
—大学生による授業後の目標再設定と学びの分析を通して—
鈴木 明子
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p. 11

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抄録
目的:家庭科における針, 糸および布などを用いる製作活動の今日的教育意義を検討することを目的としている。本報告では, 教師が提示した各授業の目標や教材の意味を学習者がどのようにとらえているのか, その中で何を学んだと認識しているのか明らかにすることを試みた。
方法:長崎大学教育学部3年次生(平成12, 13年度)28名を対象に, 浴衣を教材とする被服構成実習を行った。12回の実習授業と各授業で指示した課題作業終了後, 各自が改めてとらえ直した同授業の目標と, 実習や作業を通して学んだことを記述させた。それらの内容を分析, 考察した。
結果:1. 学生は教師がカードを用いて短い文章や語句で提示した授業目標を肯定的にとらえながらも, 各自の目標を具体的に詳細にとらえ直していた。また, 授業や作業の体験を通して, 各自の問題意識や主体性を高め, 和服の構成, 縫い目, 布, 染織, 技能などに多様な方向から向き合おうとする姿勢がみられた。 2. 学んだ内容として, 身体構造と被服構成の関係, 縫製の原理および各種技能など被服製作教材に含まれる実質的な事柄と, 段取りの工夫や危険の回避など生活に必要な力としてとらえられる事柄がみられた。 3. 縫いやくけなどの繰り返し作業と1回のみの難易度の高い作業過程のいずれにおいても, 布, 道具や技能と自分の身体との関係性をみつめる記述や内面的な変化への気づきがみられた。
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© 2002日本家庭科教育学会
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