抄録
‹目的›
授業では、主流となる教師、学習者間の会話のみならず、それと同時進行して様々なつぶやきが発せられている。それらを分析することにより、教師の働きかけや学習者相互のかかわりの中で、学習者がどのように学んでいるのか明らかにすることを目的とした。
‹方法›
中学1年生41名(男21、女20)を対象として、1997年に実施·記録した家族関係授業(50分)において発せられた学習者のつぶやきを中心にプロトコール分析した。学習者は8グループに分かれて着席しており、記録にあたっては各班での会話をテープレコーダーで録音し、行動等については教室の前方の左右に配置したビデオカメラで録画した。
‹結果›
「発表」の形で表には現れないものの、各々の班においては、他の班の発表や教師の働きかけを受けて、反論したり、揺らぎが生じたり、自分たちで独自に検討するなど、多様なつぶやきがみられた。一方、教師と学習者の間で認識のズレが起きている場面もみられた。教師の側からは、各学習者固有の家族の問題について触れていないにもかかわらず、学習者は自分の家族の現実についても具体的に語っていた。