抄録
【目的】 本研究は、在外教育施設の一つである補習授業校で学ぶ児童·生徒の家庭生活の実態や生活環境意識、家庭科に対する意識について明らかにすることを目的とした。
【方法】 2001年4月∼6月にかけて、世界に点在する補習授業校のうち調査協力が得られた17校の小学部5·6学年及び中学部1·2·3学年、高等部1·2·3学年の児童·生徒、総計406名の回答を分析した。調査の概要は、家族関係、自己及び保護者の現地での同化度、現地の生活環境評価、現地の生活に対する認識、家庭科の学習経験と意識などについてである。
【結果】 (1) 家族関係では母子密着の傾向や家族の凝集性が表出された。また、食事の準備や片づけ、部屋の掃除を37∼46%が手伝っているのみで、遂行率の低さが示された。
(2) 現地生活の同化度は母親の方が高く、児童·生徒は受容度が低い傾向がみられた。また、現地生活の悩みを感じている児童·生徒は少ないが、特に言葉の問題や自由に外出できないことを約30∼40%が悩みであると感じていた。
(3) 自然環境や景観などを約60∼80%が肯定的に評価していた。また、帰国した際には海外で経験した自然や景観に配慮し、物を大切にする生活を心掛けたいと約60%が考えていた。
(4) 調理実習の楽しさや生活への有用性を認識し、好意的な評価をしていた。以上のことから、彼らの経験を帰国後の家庭科学習に有効に活用できるよう教材開発をする必要がある。