日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第46回日本家庭科教育学会大会
セッションID: 18
会議情報

第46回大会口頭発表
「自分らしく生きる」ための諸要素の探究
*エリック キョン佐藤 文子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】家庭科教育では適切な価値判断のもとに「自分らしく生きる」ことの能力育成が求められている。この「自分らしく生きる」ということは決して自我を押し通すのではなく個人の自由意思の相互尊重に動機づけられたものでなければならない。そこで「自分らしく生きる」要素として、「自分の生きる目標をもって、それに向かうこと」、「適切な自己判断・自己決定ができること」、「共に生きる人間として、国際社会を配慮した生活ができること」、「生活を創造することができること」に焦点をあて、個の確立を妨げる要因を追究することを試みる。本報においてはこれらの要素において、高校生及び大学生の認識と行動の実態を明らかにすることを目的とする。
【方法】調査対象は高校二年生及び大学二年生で、調査時期は2003年1月~2月であった。調査内容は?目標、自立、自己判断、自己決定、モティベーション、国際化、創造性等に関するものを5段階で評価してもらい、認識・実態の程度をみるもの ?場面質問から価値判断力、意思決定能力・創造力をみるもの等であった。
【結果】?因子分析結果から、高校生は「自己実現志向性」、「自己評価・自己判断力」、「ポピュラーカルチャー」、「生活創造への意志力」等、大学生は「独立性」、「和への志向」、「ポピュラーカルチヤー」、「内部グループ志向性」等となった。共通因子として「ポピュラーカルチャー」が挙げられる。
?高校生と大学生の比較において、大学生に認識・実態の高いものとして「自己判断・自己決定ができる」、「自己の目標に向かうこと」、「世論に強く影響される」、「内部グループ志向性」、「友達のアイデアを真似しやすい」等であり、高校生は「国際的志向性」となった。
?場面設定の質問の中で、仕事をする場所を外国にするか日本にするかの選択において、高校生は大学生より外国を多く選択する傾向が認められた。その理由として高校生は「いろいろなことに挑戦したい」、「自分をもりと高めたい」等で、大学生は「語学が出来ない」、「友達や家族の近くにいたい」「異なる文化はきつい」等であった。
?外国を旅行する時、数日間グループ行動をした後、一人で行動したいかどうかの質問では、グループで一緒にいたいという回答が高校生と大学生に共通した考えとして多く認められた。その理由として「一緒だと楽しく旅ができる」、「一人では危険」等で、仲間同志の依存性が高いことが認められた。
?高校生に比べて、大学生は外国でのパーティーで自国の人々と一緒にいることを欲し、他の国の人々と交流しない傾向が認められた。この理由として「自分の国の人といると楽しい」、「語学に自信がない」、「楽しく話せる自信がない」等であった。 以上から、自分らしく生きるために今後追究されなければならない要素として、「内部グループ志向」、「チャレンジ精神の欠除」、「和への志向」、「依存性」、「国際性の欠除」等が認められた。
著者関連情報
© 2003 日本家庭科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top