日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第46回日本家庭科教育学会大会
セッションID: 40
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第46回大会口頭発表
中学校技術・家庭科家庭分野における評価方法の検討
*佐々木 忍高木 直
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抄録
<目的> 
文部科学省は2001年12月に「児童生徒の学習と教育課程の実施状況のあり方」を公示し、新しい評価方法を打ち出し、2002年2月には国立教育政策研究所が「評価規準の作成、評価方法改善のための参考資料-評価規準、評価方法等の研究開発(報告)」(以下、評価参考資料とする)を示した。特徴は、集団に準拠した評価(いわゆる相対評価)から目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)への変更、観点別評価と評定の連動性の明確化、各学校の学習指導の中に評価活動を明確に位置づけること、などである。この評価方法は、充分な準備期間がないまま2002年4月より実施に移された。よって、2002年の1学期は新しい評価方法による評価が初めて行われたが、試行錯誤的な要素もあり多様な方法がとられたことが推察される。そこで、本研究では、中学校現場で、今次の評価方法の改変をどのように受け止められ、実施されたのかを調査し、問題点を整理することを目的とする。
<方法>
1.調査対象者:山形県中学校技術・家庭科教師13名     .
2.調査方法:面挨調査
3.調査期間:20 02年10月~12月
4.調査項目:?評価規準参考資料の活用?具体的な評価方法(a.評価規準b.評価基準c.4つの観点の重みづけd.評価の材料等)?評窟の出し方?教師の感想  
 <結果>  
1.評価規準参考資料には、13名全員が目を通しており、そのうち9人(69%)は規準等を設定する際に参考にし、活用している。
2.評価規準等は、学絞で統山しているところ、教科に任され技術科教師と共に定めたところ、家庭科教師のみが定めたところ、及び基準は設定しないところがあり、学校によって評価規準作成の自由度が異なることがわかった。
3.評価参考資料では、基準のA、B,Cの客観的根拠は示されていない。各教師は、A,B,Cの範囲を決めているが個人差が大きく、例えばBの範囲を達成度20%~90%とする者から50%~70%、60%~80%とする者まであった。
4.4つの観点「関心・意欲・態度」「工夫、創造」「生活の技能」「知識・理解」の重みづけの方法に4タイプあった。1つは、重みづけをせず、4つの観点を対等に扱う。2つは、どの領域も同一の重みづけをする。3つは、領域によって異なる重みづけをする。4つは、領域によって異なる重みづけをするが、最も重視する観点が常に同じである。
5.評価の材料として、「関心、意欲、態度」にはプリントの記入状況、挙手発言、忘れ物のチェック、授業中の態度を、「工夫・創造」では、プリントの記入状況、「技能」は、提出物、「知識・理解」は、期末テストが最も多く使用されていた。
6.評定の出し方には3つのタイプがみられた。?4つの観点に付くA,B,Cの組み合わせをパターン化し、それに照合してつける。?A,B,Cを点数化し、合計点のランクによってつける。?評価材料毎に点数化し、総得点で評定を決める。 7.良くなった点として、「頑張った分だけ良い評価を出せる」、「目標が明確になった」など、問題点は、「忙しい」、「たいへん」、「評価に自信がない」、「評価のための授業になる」などであり、問題点をあげる教師が多かった。
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© 2003 日本家庭科教育学会
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