抄録
【目的】
本研究は、高校生の衣生活における価値意識を個人志向性・社会志向性の視点から明らかにすることを目的とした。本研究における個人志向性とは、自分独自の基準を尊重し、個性を活かした生き方への志向性であり、社会志向性とは、他者あるいは周囲へ配慮した生き方への志向性である。
【方法】
調査対象は、新潟県、千葉県、東京都、神奈川県の高等学校(全日制)における第1・2・3学年の生徒合計1,220名(男子579名,女子574名)であった。調査期間は2001年10月~12月であり、高校生の日常行動と衣生活行動を、個人志向性・社会志向性の視点から認識と実態についてアンケート調査を行った。
【結果】
高校生は自分の考えに基づいて行動したり、自分なりの観点で主体的に被服を選択し着装するといった個人志向性価値意識に関する項目において、高い認識・実態を示した。また、社会志向性価値意識に関する項目のうち、他者との関係に関しては、認識・実態が高いことが認められ、生活文化や生活環境・資源に関する項目については認識・実態が低いことが明らかとなった。
性別比較においては、日常生活・衣生活行動に関する内容共に、女子のほうが高い認識・実態が認められた。
学年比較においては、衣生活文化・衣服素材に関する内容において有意な差が認められた。