抄録
【研究の背景と目的】
近年、地球環境問題がさらに深刻化し、特に温暖化問題に関連してライフスタイルの転換が強く求められている。家庭科教育における環境教育実践の重要性も増している。そこで、本研究では高等学校家庭科における「消費生活と環境」の授業開発を行い、実践に基づいてその有効性を検討することを目的としている。
【研究方法】
第1報では、学習指導要領及び教科書の記述を整理し、これまでの実践事例を検討する。その上で「消費生活と環境」の授業づくりの枠組みを検討する。(第2報では、授業計画をふまえて高等学校での授業実践を行い、その有効性を検討する。)
【結果】
(1)新学習指導要領・新教科書ともに、小・中・高の発達段階をふまえて環境の視点から生活を見直す内容が明確になってきている。
(2)過去5年間の関連する内容の実践報告(『家庭科教育』『家庭科研究』)をみると、ゴミ・リサイクルといった内容が中心でその他の内容はわずかである。
(3)高等学校では環境に配慮して生活を見直すことや適切な意思決定に基づいて行動できること等が求められている。そのためには、身近な生活だけでなく生活にかかわる社会経済システムや政策についての認識を深め、社会と生活を批判的にとらえる視点からの授業づくりが必要であるといえる。