日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第48回日本家庭科教育学会大会
セッションID: 29
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第48回大会 口頭発表
小学校高学年における消費者教育に関する研究
菓子の消費実態調査から
*近藤 精洋滝山 桂子
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抄録
<目的>現代の人々は、多くの情報により購買意欲を刺激され、多種多様な商品やサービスを選択している。最近増えてきているコンビニエンスストアはインターネット端末や現金自動預け払い機の設置など従来の小売店とは大きく異なっている。小学生はまわりの環境や情報の影響を受けやすく、多面的な見方がまだ育ってはいない。政府は「21世紀型消費者政策の在り方」の中で、消費者に対して自己責任を求めている。消費者教育は現行の学習指導要領の中に位置づけられているが、小学生の実態に合った教材や評価の方法が十分に整っていない。消費者教育では、消費のみならず、生産・販売などの多面的な見方が育つ教材が求められる。小学生が商品選択時に多面的な見方ができるように、価値認識が変容することをねらいとした授業として、彼らにとって身近な菓子の商品開発を事例として取り上げることは適切であると考えられる。教材の作成にあたっては、児童の消費行動や菓子に対する価値認識の実態を把握する必要がある。 そこで、本研究は、小学校高学年児童の菓子に対する嗜好や消費の実態、菓子に対する評価および価値認識の実態を調査により明らかにすることを目的とする。その際、属性と関連させて検討し、これらの結果を消費者教育の教材開発に資することとする。<方法>2003(平成15)年11月_から_12月に千葉県F市、U市の10小学校5、6年生953名を対象に質問紙留置法による実態調査を行った。 調査内容は「日常生活における小遣いの使いみち」「購買経験の有無」「菓子に対する嗜好や消費の実態」「菓子に対する評価や価値認識」などとした。 分析方法は、購買経験の有無、菓子に対する嗜好や消費の実態、菓子に対する評価の実態を属性と関連させて視覚的に明らかにするためにコレスポンデンス分析を行い、その結果を二次元の散布図に示した。小遣いの使いみちや菓子に対する価値認識を視覚的に明らかにするために、自由記述の回答についてテキストマイニング法を用い、価値ポートフォリオ、価値認識構造図を作成して分析した。<結果>小遣いの使いみちとしては「菓子」「マンガ」が多かった。5年生と6年生の学年間では使途が類似していたが、男子は「ゲーム」「カード」が多く、女子は「文房具」「雑誌」などが多く、男女間では相違が見られた。また、小遣いが増えた場合、女子は「貯金」男子は「ゲーム」に使いたいと考えていることが明らかになった。 購買同伴者と購買経験については、5年生は商品を問わず家族との購買経験が多く、6年生男子は「本」「マンガ」など娯楽的要素の強い商品を自分一人で、6年生女子は「雑誌」「CD」など流行性の高い商品を友達と購買する傾向が見られた。 菓子に対する評価や価値認識としては、コレスポンデンス分析から5年生女子は安全面での関心が高く、6年生女子は菓子に対して積極的な傾向が見られ、6年生男子は菓子に対してやや消極的な傾向が見られた。価値認識構造図からは、全体的には菓子に対して、「好き」「必要」「大事」など肯定的な認識が多く見られた。価値ポートフォリオから、菓子に対し、買い得感や身体・健康面にかかわる価値を認識しており、女子は利便性や環境への配慮にも価値を認識していると理解された。 以上の結果をふまえ、評価の観点を広げ、価値認識を深めることにより自立した消費者をめざした意思決定能力の育成をはかるために教材を開発し、授業実践していくことが今後の課題である。
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© 2005 日本家庭科教育学会
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