日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第53回大会・2010例会
セッションID: B3-3
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口頭発表
住まいを基本舞台として家庭生活を総合的に考えた小学校家庭科の授業
-日光をテーマにした授業実践-
*田中 志穂阪口 美香谷口 明子鈴木 洋子田中 洋子
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抄録
【目 的】
 「住まいを基本舞台として家庭生活を総合的に考える」における基本構想モデルを起点に授業を設計した。基本構想モデル中の住まいを取り囲む要素の中から、生命保持に直結する「健康」「快適」に焦点をあて、日光を横断的学習の核に設定した。日光は誰もが無料で使えるエネルギー源であり、どの子にも考えさせる場を設定することが可能である。日光を核に置き、住まいで繰り広げられる生活行為に着眼し、住まいを生活行為と関連付けた学習を展開することにより、衣食住の学習の分断を回避できると考え、「日光と私たちの生活」の授業を実践し、その成果を検討した。

【方 法】
 授業実践の効果は、主に日光を「刺激言」においたイメージマップ(B5用紙)より検討した。授業は第6学年児童106名(3クラス)を対象に2009年11月に実施した。事前のイメージマップは7月に、事後は12月に描かせた。定着度を見るために2010年3月に同様のイメージマップを描かせた。イメージマップに記述された用語を全て書き出し、児童ごとに事前、事後、定着時の第一用語、第二用語等の数をかぞえた。
イメージマップ中の用語から項目を作成して分類し、記述した延べ人数から比較を行った。事前のイメージマップの内容は、学習指導計画を立てる際の参考にした。
学習指導計画 
「日光と私たちの生活」  (全7時間)
 第1次  日光と住生活・・・・・・・・・・・2時間
      日照・採光・暖房・発電
 第2次  日光と衣生活・・・・・・・・・・・2時間
      熱・乾燥・殺菌・紫外線
 第3次  日光と食生活・・・・・・・・・・・2時間
      食品の保存(殺菌・栄養)
 第4次  日光の役割・・・・・・・・・・・・1時間

【結 果】
・第一用語数、第二用語数の平均値について、対応のあるt検定をした結果、事前と事後、事前と定着時の間に有意差が認められた。事後と定着時の間に有意差は認められなかった。
・事前(7月)のイメージマップから(1)熱・乾燥、(2)日照・採光、(3)植物の成長、(4)太陽光発電、(5)紫外線の5つの項目に用語を整理することができた。(3)植物の成長については、理科の学習中であったため、挙げている児童が比較的多かった。
・事後(12月)のイメージマップにおいては、事前で作成した項目のほかに、「殺菌」「食品の保存」「洗濯」が加わった。事前のイメージマップの5つの項目のうち(3)植物の成長を除く4つの項目の用語数が増加した。
・定着度をみるためのイメージマップ(3月)にかかれた内容と、事後のイメージマップとの間に大差はみられなかった。
・「日光と私たちの生活」の題材で、衣食住の横断的な学習を進めることにより、家庭生活が住まいを基本舞台として展開されることを理解させる一助となった。
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© 2010 日本家庭科教育学会
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