日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第55回大会・2012例会
セッションID: B2-3
会議情報

第55回大会:口頭発表
家庭科の実験・実習と水に関する教育内容
*青木 香保里荒井 眞一
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キーワード: 実験・実習, , 教育内容
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抄録
目的 
 水は、生命を支える基礎であり生活を支える基盤である。水は私たちの体の中をめぐり、同時に地球上をめぐっている。水は地球上に存在する有限の資源である。存在する水に比べ使用できる水は圧倒的に少なく、使用できる水が極度に少ない地域が多く存在する。世界をみると、砂漠化の進行、温暖化と干ばつ、酸性雨、地下水の汲み上げ過ぎによる地盤沈下、地域間での水資源の格差など、水は深刻な問題を引き起こす原因となっている。 
 学校生活では、掃除や授業など様々な場面で水が使われている。水の存在を当たり前に感じ、水の存在に意識を向けないことが水の無駄使いや過度の生活排水などの現象を引き起こしている。学校生活で水が使われる場面のうち、家庭科では、自然や社会と深い関わりをもつ被服や食物などの自らの身につけ身体の中に取り込む目的を有する活動を対象としている。なかでも調理の活動は食物に働きかけ食物の摂取を通じ水分を取り込む一方で、一連の調理の過程で生活排水が生じるなど、様々な場面で水を扱う。調理実習における水に関する総合的な学習活動を通して、水に関する実践的な認識と技能の形成が期待できる。しかし実際は、野菜や皿を洗うなど水を使用する場面が多い割に、野菜や食器の洗浄における水の扱い方に触れることは少ない。包丁の安全な使用法や調理法などの技術指導とは対照的に、水の扱い方については節水の心がけを説く場合が多く具体的な指標を伴うことは少ない。 
  本研究は、家庭科の授業を構成する調理実習における水の使用に着目し、具体的指標を位置づけた調理実習の展開ならびに水の使用についての認識形成をめざした調理実習に関する教育内容の検討を行うとともに、身近な資源である水を総合的・実践的に捉えることを目指した教育内容の検討を行い、授業に資する具体的資料を得ることを目的とする。

方法
  研究方法としては、文献研究に加え、実験(小学校家庭における調理実習献立をもとに実施)として、調理実習(手洗い・材料等の洗い・調理に用いる水・調理器具/食器の洗い)で使用する水の計量を行い考察する。
 なお比較実験として、世界において降水量の少ない地域にみられる調理方法に着目し、調理で使用する水の計量を行い検討した。
 また小学校家庭教科書における水に関係する記述について検討し、教育内容構成の資料とした。

結果
 1)水使用量の計量に関する実験は小学校家庭教科書に掲載されている実習献立をもとに行った。予備実験として、調理実習を行ったと仮定したときの水使用量について測定する「実験A」を行った。次に、「実験A」(予備実験)をもとに洗浄方法の違いによる水使用量について測定する「実験B」を比較実験として行った。また、水の使用量が制限される地域で用いられている調理器具(タジン鍋)に着目し、調理方法の違いによる水使用量を測定する「実験C」を対照実験として行った。各実験の結果について、報告当日に述べる。
 2)1977年告示の学習指導要領~現行学習指導要領に準拠し発行された小学校家庭教科書(2社)を対象に「水」に関する記述を抜粋し検討した結果について、報告当日に述べる。
 3)学校生活において授業や諸活動で水が使われている場面を検討し、家庭科との関連について考察を行った結果について、報告当日に述べる。
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© 2012 日本家庭科教育学会
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