抄録
<B>問題と目的</B><BR>中学校家庭科では、幼児との触れ合い学習が試みられている。しかし、課題もある。たとえば、国立教育政策研究所の調査報告(国立教育政策研究所教育課程開発センター、2009)によると「幼児の行動の特徴や様子を読み取る問題に課題を残している」と述べられている。他者との関わりから他者の特徴を読み取ることは、他者に働きかける力を獲得するため必要なリテラシーであると考える。本研究の目的は、中学生が幼児との触れ合い体験を振り返るナラティブから幼児の発達の特徴を読み取ることができる学習過程を検討することである。<BR><B>研究方法</B><BR>中学校3年生の家庭科の授業において、絵本を読み聞かせる第1回の触れ合い体験を実施し、ナラティブを書かせる。第2回の触れ合い体験を見通し、ナラティブから幼児の発達の特徴を読み取る授業を2クラス(B組、C組)で実施する。これら2クラスの授業を分析対象として、ナラティブから幼児の発達を読み取る授業の学習過程を検討し、有効な授業構成の在り方を解明する。2011年10月7日(B組)、10月21日(C組)<BR><B>分析手法</B><BR>授業をビデオカメラ、ICレコーダーに記録し、その発話をすべて文字に起こす。授業の発話をすべて並べ、教師の発話と生徒の発話が授業の進行に従ってどのように相互作用しているか、授業の構成の仕方がどのような発話を生成しているか学習過程を詳細に分析する。B組の授業は、一斉学習(導入―問いかけ、活動の指示―個人でナラティブの読み取り―共有化―映像による体験の振り返り)→グループによる話し合い(第2回の触れ合い体験に活かすこと)→一斉学習(発表、保育士へのインタビューなどの紹介)と進んでいった。C組の授業は、一斉学習(導入、問いかけ、活動の指示)→グループ学習(ナラティブの読み取り)→一斉学習(発表、映像による体験の振り返り)→グループによる話し合い(第2回の触れ合い体験に活かすこと)→一斉学習(発表、個人のまとめ、発表)と進んだ。<BR><B>結果と考察</B><BR>B組よりC組の方が教師が十分な説明をしないでも、ナラティブから幼児の発達の特徴を読み取ることができていた。それは、グループでナラティブを読み解く活動を入れたこと、それが可視化できる表にまとめる発表させたことその要因として分析できた。