日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第57回大会・2014例会
セッションID: A3-7
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第57回大会:口頭発表
中日都市部における中学生の食生活の実態
*湯 暁逾池﨑 喜美惠
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キーワード: 中国, 家庭科, 食生活, 中学生
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抄録
【目的】
 先に上海市の中学生の食生活について調査したところ、中国の中学生の食生活の課題が明らかになった。食習慣は子どもの頃から形成し始め、思春期に確立され成人期に移行すると言われている。中学生にとって、健全な食生活は健康な心身を育てるために欠かせないものであると同時に、将来の食習慣の形成に大きな影響を及ぼすものでもある。本研究では、中国と日本の中学生を対象として食生活の実態を調査し、両国の食生活様式とのかかわりから、両国の中学生の食生活を比較検討することを目的とした。
【 方法】
 本調査は、中国の中学校4校の中学生491名、日本の中学校2校の中学生547名を対象に、アンケート調査を行った。調査期間は2013年9月から11月である。本報告では調査内容のうち、三食摂取状況、手伝い状況、食卓マナー、食意識と食知識の獲得ルートなどの食生活の実態に関する質問についてのみ検討する。
【 結果及び考察】
1.BMI値が18.5以下であった日本の中学生は6割近くおり、中国の中学生より2割多かったことから、日本の中学生はやせ傾向にあることが明らかになった。また、 三食摂取率では、中国の中学生の朝食欠食率は約26%で、日本の中学生の2倍であり、「朝食を食べない理由」は、両国とも「時間がない」が1位であった。また、中国の中学生は「夕食を摂取する時間」や「就寝する時間」は、日本の中学生よりおよそ1時間早く、「睡眠時間」も1時間長いという結果が出た。その背景には、日本の中学生が放課後、部活や塾に行くことが多く、帰りが遅くなることや、親が帰宅する時間が遅く家族揃って食事をする時間帯が19時から20時が約47%を占めているなど、ここに中国の中学生との日常生活の違いが表れているのではないかと推測する。
2. 食事の手伝いのうち、中国の中学生は5割、日本中学生は8割近くが「食器を洗わない」と回答し、大差が認められた。その背景には日本の食洗機の普及率は、中国の10倍であるという現状が考えられる。
3.食のマナーについて質問した結果、食事のとき、「あいさつをする」と回答した日本の中学生は中国の中学生より3割多かった。中国は昔から食事のときあいさつをする習慣がなかったからと考えられる。また、テレビを見ながら食事をする中国の中学生は4割であるが、日本の中学生はその2倍の8割であった。このことは、中国の中学生が食事をする時間帯は18時前から19時であり、この時間帯に放映しているテレビ番組の内容が影響していると思われる。
4.健康な食生活を送ろうとする意識に関しては、「栄養バランスを考えた食事」と「カルシウムの多い食事」を心がけている中国の中学生は日本の中学生より2割多かった。「野菜」と「果物」は両国とも意識して摂取している傾向がみられた。「外食のとき大切だと思うもの」では、「衛生状況」を選択する中国の中学生は、日本の中学生より2倍も多かった。近年の中国では、子どもから大人まで食の安全問題に対する関心が高まっており、買い物をするとき、「品質表示」を見ると回答した中国の中学生は日本の中学生より3割多かったことなども、現状を如実に示していた。
5.食についての知識を中国の中学生は「インターネット」「テレビ」「家庭」の順で、日本の中学生は「テレビ」「家庭」「学校」から獲得していた。このことから、中国の中学生は、メデイアを情報取得源としているが、日本は「家庭科」が知識を習得する拠り所となっていることも特徴といえる。
6. 「家庭科」を好きな中学生は7割以上であり、一番好きな学習内容は「食」であった。中国には「家庭科」に類似した「労働技術科」がある。家庭科や労働技術科に対する意識と朝食摂取状況を検討した結果、中国の中学生には関係が見られたが、日本の中学生には見られなかった。これは、日本の中学生の朝食欠食率が低いため、家庭科の好き嫌いによる朝食摂取率には影響しないことが明らかになった。
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© 2014 日本家庭科教育学会
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