日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1B-4
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口頭発表
減圧鍋による加熱調理の特徴
−かぶの調理−
*清水 彩子丸山 智美佐宗 洋子盛興 美千代小山 晟矢
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キーワード: 減圧鍋, かぶ, 浸透, 物性
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抄録

【目的】食品を通常気圧でない状態で加熱調理する方法として、加圧調理、真空調理、減圧調理などがある。加圧調理や真空調理の特性については多くの報告があるが、消火後に鍋内の気圧を低下させて調理する減圧調理の特性に関する報告はほとんどない。本研究では、減圧調理の特性を見出すことを目的とし、食塩の浸透と物性の変化について検討した。

【方法】 愛知県産今市かぶの中心部を4㎝×4cmに切り出し、蓋に減圧弁のついた鍋(減圧鍋)および弁のついていない鍋(常圧鍋)を用いて家庭用ガスコンロでの加熱調理を行った。試料2個、蒸留水1200mL(20℃)、食塩120g、食紅1.0gをそれぞれの鍋に入れ、10分間強火で加熱した後消火し、コンロの上で10分および20分放置した。加熱後の試料は中心部を2cm×2cmに切り出し、外側部と中心部とに分けた。それぞれの試料に対し、食塩の浸透(デジタル塩分計,アタゴ)および物性(破断強度測定,RE2-33005C,山電)の測定を行った。

【結果】 食塩は、消火後の放置時間10分、20分の試料いずれも常圧鍋よりも減圧鍋のほうが中心部まで浸透する傾向にあった。物性の変化については、試料の外側部では通常鍋と減圧鍋に差は認められなかったが、中心部では、消火後20分経過で最大荷重、破断荷重、破断応力が常圧鍋より減圧鍋の方が有意に小さかった。また、常圧鍋では消火後10分と20分経過後の物性に差は認められなかったが、減圧鍋では、消火後20分経過後の方が10分後より中心部の最大荷重、破断荷重、破断応力が小さかった。減圧鍋の調理では、消火後の減圧状態の継続により、常圧鍋よりも中心部まで食塩が浸透し、柔らかくなることが示唆された。

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