日本家政学会誌
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地域コミュニティとしての「ふれあい・いきいきサロン」の持続性と包括性に関する研究
中村 久美
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2019 年 70 巻 7 号 p. 403-415

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抄録

 本研究は, 地域コミュニティとしての存在価値, 活動価値を有するサロンの, その有効性を生かすため, サロン活動の持続性, 包括性を探る目的で, 宇治市のふれあい・いきいきサロンを対象に調査を行った. 結果は以下の通りである.

 10年前に調査した11サロンのうち, 活動を継続してるサロンは8サロンであった. 11サロンへの追跡調査から, 活動の持続のためには以下の3点が重要であることが明らかになった. ①サロン関係者や学区福祉委員らによる継続的な参加者の勧誘, ②代表者の予備軍としてのボランティアの勧誘, ③活動場所の確保として, 集会所の整備や, 地域の集合住宅や医療・福祉施設内集会室の活用, 以上である.

 続いて宇治市内のM学区をとりあげ, 学区内12サロンに対する調査 (代表者へのヒアリングおよび参加高齢者への質問紙調査) を実施した.

 調査対象地区のM学区では, サロン連絡会によって12サロンが連携している. 同時にサロン関係者同志や, サロン関係者と外部の学区福祉委員や民生委員とが相互に関係をもっている. その結果, 学区内にサロンを介したコミュニティネットワークの形成が認められる. 包括性あるサロン活動として, このM学区におけるサロン活動がパイロットモデルとなり得る.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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