日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
資料
離島地域住民の主観的健康感と年齢区分別における関連要因
森川 真帆石見 百江
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 71 巻 2 号 p. 85-92

詳細
抄録

 長崎県離島地域は, 主観的健康感が低いことが示されている. 長崎県離島地域の健康寿命延伸に向けて, 健康寿命の要素の1つとなる主観的健康感に関連する要因を年齢区分別に明らかにすることを目的とした.

 調査は男性536名, 女性は688名の計1,224名を対象に質問紙調査を行い, 対象者の44歳以下を若年期, 45~64歳を中年期, 65歳以上を高年期とした.

 主観的健康感が高いと回答した人は988名 (80.7%) だった. 高年期は主観的健康感が低い人の割合が有意に高かった. また, 関連する要因については年齢区分別で異なっていた. 若年期, 中年期では野菜を積極的に食べること, 疾病を診断されていないこと, 高年期ではよく噛んで食べることが主観的健康感を高めていた. 社会環境的要因としては若年期, 高年期では運動をする仲間がいること, 中年期では家族が運動時間確保のために協力してくれることが主観的健康感を高めていた. 主観的健康感に関連する生活習慣, 健康状態及び社会環境的要因は年齢区分別で異なっており, 主観的健康感を高めるための, 健康課題の解決策は年齢区分別に検討することが必要であることが示唆された.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top