日本家政学会誌
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ICT教材「ミニチュアゆかた製作」を用いた学習とゆかた着装がきもの文化への興味関心に及ぼす効果
大矢 幸江薩本 弥生千葉 眞智子
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2020 年 71 巻 2 号 p. 69-84

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抄録

 現代の社会では, 家電製品の普及や女性の社会進出などの影響により家庭において伝統的な生活文化が引き継がれにくくなっている. とりわけ伝統的な生活文化であるきもの文化は既製服の普及により, その継承が困難となっている. また, 子どもたちの縫製技能の経験は乏しく, 技能は定着していないようである.

 そこで, 中学生を対象に, 基礎的縫製技能やきものの平面構成の特徴を学ぶために考案したe-learning教材を用いたペットボトルサイズの「ミニチュアゆかた」製作実習とゆかた着装を通じて, きもの文化を学ぶ授業を実践した. 本実践が, きもの文化への興味関心を高める効果があるかを授業前後のアンケート調査の解析によって明らかにすることを目的とした.

 授業では各班にタブレット端末を配布して, 生徒が主体的に学習できるようICT教育の環境を整えた. 実践前後と終盤, ゆかた着装後の4回, 生徒へのアンケート調査を行い効果の検証を行った.

 その結果, 生徒の縫製経験は乏しいことが明らかとなった. 生徒は, ミニチュアゆかた製作という難しい課題に取り組み完成させた達成感により, 満足感を得ることができた. 本プログラムの実践により, 生徒は, きものに関する知識を深め, 昔の人への尊敬の気持ちを抱いた. きもの文化への興味・関心を深めるとともに, 継承したい意欲を持つことが示された.

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© 2020 一般社団法人 日本家政学会
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