本研究の目的は, 関西地方における住宅照明の実態をとらえることである. 本報告では, 居間での行為と水平面照度, 消費電力との関わりについて検討した. 特に, 照明の点灯パターン数に注目した分析を行った. その結果以下について明らかになった.
点灯パターン数が1のみの居住者は52.7%で, 行為による照明の変更を居住者の半数以上が行っていない.
各行為時の平均水平面照度の差は少ない.
視作業は, 同じ点灯パターンで行われている割合が高い.
点灯パターン数が1つのみの場合が, ほとんどの行為において消費電力が最も少ない傾向がみられる.
以上から, 行為による点灯パターンの変更が必ずしも省エネルギーに結びついていないという結果が得られた.