2021 年 72 巻 10 号 p. 642-654
本研究は, ドクダミ (Houttuynia cordata Thunb) の部分別の抗酸化性およびドクダミ茶の色調への製造工程の影響を検討し, 最終的に, 総ポリフェノール含量 (TPC) と抗酸化性 (1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl (DPPH) ラジカル捕捉活性およびH-ORAC値 (hydrophilic oxygen radical antioxidant capacity)) に最も影響を与える工程を明らかにすることを目的として行われた. ドクダミの部位別のTPCと抗酸化性は, 花>葉>葉柄>茎の順に低下した. また, ドクダミ茶の色調におけるa*値は, L*値やb*値に比べて製造工程の影響を最も受けた. ドクダミ茶のTPCと抗酸化性は蒸熱処理によって未処理および他の処理よりも高い値を示したが, 発酵は逆の影響を及ぼした. さらに, 乾燥および焙煎処理はドクダミ茶のTPCや抗酸化性への影響は少ないことが明らかとなった.