2021 年 72 巻 10 号 p. 655-663
大豆由来ペルオキシダーゼ (SPO) 溶液系での活性化剤共存下でのオレンジⅡ及びオレンジG単独水溶液の脱色反応に及ぼすpHの影響について検討した. その結果, オレンジⅡとオレンジGの脱色速度定数はともにpH9で最大となった.
また, オレンジⅡとオレンジG水溶液の脱色反応において, ペルオキシダーゼの活性化剤として使用されているp-ヨードフェノールとp-クマリン酸の反応性を比較した. オレンジⅡとオレンジGともにp-クマリン酸共存下において脱色速度定数が大きいことから, 最適な活性化剤をp-クマリン酸とした.
SPO固定化PET布帛を用いて, オレンジⅡとオレンジG水溶液の脱色反応について検討した. オレンジⅡでは, 脱色反応3回目においても脱色反応が進行していたが. オレンジGでは脱色反応がほとんど進行しなかった.
SPO固定化PET布帛を用いた3種の染料混合溶液の脱色反応をおこなったところ, 活性化剤であるp-クマリン酸共存下で化学構造や酸化電位の異なる染料を同時に脱色出来ることが明らかとなった.