日本家政学会誌
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新規食材としての野菜ゲルの加熱調理特性と冷凍および凍結乾燥耐性
郡山 貴子小川 歩実大田原 美保大石 恭子香西 みどり
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2021 年 72 巻 2 号 p. 74-85

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抄録

 野菜ゲルの新規食材としての有用性について評価するため, 種々の加熱処理, 冷凍処理, および凍結乾燥処理を施しそれらの耐性を検討した. その結果, ニンジンをピューレ状にしてジェランガムでゲル化させたニンジンゲルは湿式・乾式いずれの加熱にも耐性を有するだけでなく, 冷凍後も加熱耐性を維持することがわかった. また, 種々の野菜 (ダイコン, ゴボウ, 小松菜, ジャガイモ, カボチャ, およびレンコン) についても野菜ゲルに適した配合を決定し, いずれの野菜ゲルも冷凍の有無によらず調味液加熱が可能であることが認められた. さらに, 種々の野菜ゲルを凍結乾燥しても外観を損なわないことが明らかとなり, 保存性の高い食材としての利用が期待できた. 以上のことから, 本野菜ゲルは調理性および保存性の観点から日常の調理食材に加えて非常時の食材としての利用, さらに介護食等への利用が可能な汎用性の高い新規の食材であることが示された.

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