飯に, 汁やおかずを組み合わせて交互に食べる我が国の食事様式では, 飯の代わりにパンが組み合わされた場合でもパンとスープ, おかずが交互に食べられる. 本研究では, 0.4~0.9%の低塩分濃度のスープにパンを組み合わせた時のスープの塩味の嗜好性 (好ましさ, 許容性) を検討した.
その結果, 0.5%のスープを最も好ましいとした者が「スープのみ」では多かったが, 「スープの次にパン」, 「パンの次にスープ」では少なかった. 許容できるスープの塩分濃度についても, 「スープのみ」では0.4, 0.5%のスープを許容できるとした者が多かったが, 「スープの次にパン」では0.4, 0.5%のスープを許容できるとした者が少なく, 0.9%のスープを許容できるとした者が多かった. また, パンを組み合わせることによって許容できるスープの塩分濃度が高くなる変化は, 「パンの次にスープ」よりも「スープの次にパン」で大きかった.
以上から, スープの塩味はパンを組み合わせた場合は, パンの塩味への順応や, パンによる後味の除去などにより, 低塩分濃度のスープの嗜好性が低くなると考えられた.