日本家政学会誌
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パンとの組み合わせが低塩分濃度のスープの塩味の嗜好性に及ぼす影響
戸松 美紀子野村 希代子木村 留美杉山 寿美
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2021 年 72 巻 7 号 p. 425-430

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抄録

 飯に, 汁やおかずを組み合わせて交互に食べる我が国の食事様式では, 飯の代わりにパンが組み合わされた場合でもパンとスープ, おかずが交互に食べられる. 本研究では, 0.4~0.9%の低塩分濃度のスープにパンを組み合わせた時のスープの塩味の嗜好性 (好ましさ, 許容性) を検討した.

 その結果, 0.5%のスープを最も好ましいとした者が「スープのみ」では多かったが, 「スープの次にパン」, 「パンの次にスープ」では少なかった. 許容できるスープの塩分濃度についても, 「スープのみ」では0.4, 0.5%のスープを許容できるとした者が多かったが, 「スープの次にパン」では0.4, 0.5%のスープを許容できるとした者が少なく, 0.9%のスープを許容できるとした者が多かった. また, パンを組み合わせることによって許容できるスープの塩分濃度が高くなる変化は, 「パンの次にスープ」よりも「スープの次にパン」で大きかった.

 以上から, スープの塩味はパンを組み合わせた場合は, パンの塩味への順応や, パンによる後味の除去などにより, 低塩分濃度のスープの嗜好性が低くなると考えられた.

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© 2021 一般社団法人 日本家政学会
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