日本家政学会誌
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チーム保育の実践を測定する尺度開発及びチーム保育に影響を与える要因の分析
恒川 丹
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キーワード: チーム保育, 保育者連携
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2021 年 72 巻 7 号 p. 415-424

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抄録

 本研究のテーマであるチーム保育は, 1つのクラスを2人以上の保育者 (非常勤職員を含む) で行う保育方法のことであり, 多くの保育所・幼稚園・認定こども園においてこの方法が取り入れられている.

 このチーム保育の実践は様々な形態・方法で行われているが, 保育者1人ひとりがチーム保育の実践を振り返ることができ, 尚且つ客観的に測定できる指標がない.

 そこで, チーム保育の実践を測定する尺度の開発及び, チーム保育に影響を与える要因の分析を行った. チーム保育の実践を測定する尺度は, 「第1因子 : コミュニケーションの充実」・「第2因子 : 効果的な保育実践のための連携」・「第3因子 : 改善に向けた振り返りの実施」の3つの下位因子で構成される.

 この尺度と保育者がチーム内で担う役割との関連を分析したところ, 保育者の役割の交代があるチームの方が, 役割が固定化しているチームよりも第2因子・第3因子で有意に高い値を示した.

 すなわち, 保育者の役割形態の違いである, 役割の交代の有無がチーム保育の実践に影響を与えていることが明らかになった.

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© 2021 一般社団法人 日本家政学会
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