日本家政学会誌
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イグサの消臭効果について
関谷 美喜子永原 耕吉阿部 伶奈佐藤 紀代美河村 敦万倉 三正
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2022 年 73 巻 5 号 p. 246-254

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抄録

 イグサ (Juncus effusus L. var. decipens Buchen.) 及び竹炭シートの密閉容器中 (1L容) のトリメチルアミン (TMA) に対する消臭効果について, 官能評価及び機器測定により評価した. イグサは畳表の主材料であり, 竹炭シートは畳表と畳床の間の木製ボードの消臭に使用されることがある. 官能評価の結果, イグサや竹炭シートの存在条件下では, 試験開始10分後よりTMAのにおいが有意に減少しており (p<0.01), さらに24時間後には, TMAのにおいはほとんど無臭状態であると評価された. 機器測定においても, 消臭効果の速効性を確認することができたが, 機器が示す数値の増減は官能評価の結果と完全には一致しなかった. 本研究では, 同量のイグサと竹炭シートでは官能的な消臭効果の統計的な差は認められなかった. イグサの消臭メカニズムには感覚的消臭法, 化学的消臭法, 物理的消臭法の関連が示唆されたが, 消臭効果の持続時間を含め, 今後の更なる検討を要する.

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会
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