抄録
市販のもめんとうふについて, 多点測定法によるとうふのテクスチャーの測定と, ゆでにともなうテクスチャ一と食感の変化などを検討した.
4種のプランジャーによる, 生とゆでたとうふのパイト曲線の変化はきわめて特徴的で, ゆでにともなうとうふのテクスチャーの差がよく示された.これらのバイト曲線の解析とhardnessおよびcohesivenessの実験式から, 大型ニードルプランジャーが, 調理条件にともなうとうふのテクスチャーの変化の測定に最適であることが推定された.
市販の5種のとうふについて, ゆでにともなう hardnessの実験式 (大型ニードプランジャーによる) の勾配の変化を比較すると, 5分ゆでることにより平均52.6%硬化するが, 塩1%の添加により硬化が平均20.7%におさえられることが示された.
一方, 食感の変化と関係があると考えられる cohesivenessの, ゆでにともなう多点測定の実験式の勾配の変化はhardnessの場合より平均して大きく, 調理条件による差がより明瞭に示された.
また, 一般にやわらかいとうふが, かたいとうふよりもゆでによる食感の変動が大きい傾向が認められた.