日本看護研究学会雑誌
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訪問看護師による在宅療養高齢者の終末期医療に対する意思把握の方法
高橋 方子布施 淳子
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2012 年 35 巻 1 号 p. 1_99-1_105

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抄録
  本研究は,訪問看護師による在宅療養高齢者の終末期医療に対する意思把握の方法を明らかにすることを目的とした。訪問看護師12名に対し,意思把握の現状について半構造面接を実施した。面接内容を逐語録に起こし,内容分析を行った。その結果,以下のことが明らかになった。
  訪問看護師による意思把握は,意思把握の状況と方法の2側面から語られた。意思把握の状況は〈いつからが終末期かはっきりしない〉〈終末期の見通しがない〉〈状況は変化する〉〈意思を確認できない状況がある〉などの6つのカテゴリーが抽出された。
  意思把握の方法は〈本人や家族がどのように過ごしたいか,から把握する〉〈本人や家族の暮らしぶりから推測する〉〈日常のかかわりのなかで,本人や家族の気持ちに添って把握する〉など8つのカテゴリーが抽出された。訪問看護師は意思把握がむずかしい状況を認識し,それに対応した意思把握方法を用いていた。
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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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