家政学雑誌
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熱伝達法の異なるオーブンの加熱能について (第3報)
放射による伝熱量の割合および焼色のつき方
渋川 祥子
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1985 年 36 巻 7 号 p. 492-496

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抄録

オーブンの機構のちがいによる加熱能の特徴を知るために, 全伝熱量のうち放射による伝熱量の割合を表面の色を変えた金属ブロックを使用して測定した.さらに, それらの値と前報で明らかにした「見かけの熱伝達率」とケーキやクッキーの焼色との関係を検討した結果, 次のことが明らかとなった.
1) 各オーブンの放射による伝熱量の割合は, 強制対流式ガスオーブンでは25~30%, 電気オーブンでは75~85%, 強制対流式電気オーブンでは40%, 自然対流式ガスオーブンでは50~60%であった.
2) 同じ庫内温度でケーキやクッキーを焙焼した場合の焼色は「見かけの熱伝達率」と「放射による伝熱量の割合」に対して高い重相関関係があり, 焼色のつき方は, この二つの値から推定できる.

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