日本家政学会誌
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コロッケの破裂の機構
長尾 慶子加藤 由美子畑江 敬子島田 淳子
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1988 年 39 巻 7 号 p. 677-682

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抄録

コロッケの破裂の機購および破裂を防ぐ揚げ条件を設定することを目的とし, 乾燥マッシュポテトを用いて加水量を変えたコロッケを調製, 実験し以下の結果を得た.
1) コロッケの破裂は水分量および揚げ温度, 依存し, 水分が少ないほど, また揚げ温度が高いほど破裂しなかった.
2) 油温200℃で揚げたときの, コロッケ破裂時の表層部 (1 mm 内側) 温度, 2 mm, 5 mm 内側および中心部温度は 118, 70, 40 および 22 ℃ であり中心部はほとんど変化がなかった.
3) 破裂はコロッケの外皮付近で起きており, いずれの試料も表層部温度は100℃ 以上で破裂した.
4) コロッケ外皮の破断強度は, 高水分試料のほうが小さく, また油温が高いほうが大となる傾向にあった.
5) 破裂しやすい高水分試料の表層部を, 破裂の起きにくい低水分試料でおきかえると破裂は防止できた.
6) 破裂は表層部の蒸気圧と皮の強度が関与している.

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