日本家政学会誌
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コーン油とラードの混合比率の異なる油脂を投与した場合の血漿, 肝臓, 睾丸および副睾丸周辺脂肪組織の脂質代謝変動
滝田 聖親中村 カホル早川 享志福富 麻子西郷 光彦印南 敏
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1989 年 40 巻 2 号 p. 99-105

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抄録
コーン油とラードの混合割合を段階的に変え, P/S比の異なる油脂を調製し, ラットに投与した場合の血清および肝臓の脂質代謝変動ならびに血清, 肝臓, 睾丸および副睾丸周辺脂肪組織の脂肪酸代謝の変動を中心に検討し次の結果を得た.
1) 血漿脂質では試料油脂のP/S比が減少するにつれて PL と TC は低下, TG は上昇, HDL-Cho は有意な変動が認められなかった.
肝臓のTG, TCおよびPLのいずれもP/S比の変動につれて有意な変動が認められなかった.
2) 飼料脂質のP/S比の増加に伴い血漿ではC18 : 2の割合とC20 : 4の割合との割合が増加したが, 肝臓ではC18 : 2の割合のみ増加した.
3) 副睾丸周辺脂肪組織のC18 : 2の割合は飼料脂質のP/S比が増加するにつれて増加した.
4) 睾丸におけるC18 : 2の割合とC20 : 4の割合は飼料脂質のP/S比の変化にもかかわらず, ほぼ一定の値を示した.
5) 飼料脂質のP/S比が上昇するにつれて, 各組織のC20 : 4/C18 : 2比は, 血漿では変動せず, 肝臓では漸減, 睾丸ではP/S比1.5まで減少, それ以降わずかに増加傾向を示した.
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