日本家政学会誌
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死蔵被服に関する意識と実態
-阪神地域に在住する女性の場合-
藤原 康晴所 康子川端 澄子
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1989 年 40 巻 7 号 p. 641-646

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抄録
死蔵被服の有効利用に関する基礎資料を得るために, 阪神地方に在住する女性を対象に, 各家庭で死蔵されている被服の枚数, 死蔵となった理由, 死蔵被服の処理方法, 他者の古着着用に対する態度, 服装の関心度などについて調査した.
被服は, 流行遅れやサイズがあわなくなるなどの理由から死蔵されるようになり, 保有されている死蔵被服は1世帯平均54.2枚にも達している.現有の死蔵被服の処分に関しては, 使用してくれる人があれば有償よりもむしろ無償でゆずりたいとの意向をもっている反面, 他者の古着を着ることに抵抗感をもつ者が多い.また, 対象者の約半数は死蔵被服をリフォームして再使用したい意向をもっていることがわかった.
死蔵被服の保有量は, 服装の関心度と関連があったが, 対象者の基本属性との関連は小さく, 有意な関連がみられたのは, 住宅の間取りと年収だけであった.
死蔵被服の流通を促進して互いに利用する, リフォームして当人あるいは身近な者が利用する, が日常生活における死蔵被服のおもな利用法であるが, 本調査結果では, 前者よりも後者のほうが効果的な方策になりうることが想定された.
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© 社団法人日本家政学会
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