日本家政学会誌
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沖縄における熱帯果実の利用に関する研究 (第1報)
グァバの性状および化学的成分について
桂 正子
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1990 年 41 巻 2 号 p. 103-108

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抄録
沖縄産グァバ4種 (沖縄在来種ピンク, ハワイ系ピンク, 台湾系白丸型および台湾系白洋梨型) について, ・品種間および部位別の性状, 化学的成分を比較し, また, ピューレの加熱温度別によるビタミンC含量について検討し, 加工処理への適応性について検討した.
(1) 重量は沖縄在来種ピンクが小さく, 台湾系白洋梨型が大であった.硬度は0.67~1.60kg/cm2の範囲にあり, 完熟果実であったが, 酸度の高いものはハワイ系ピンクで加工に適し, ビタミンC含量の多いのは台湾系白丸型であり, 生で食するのに適している.ま牝, 糖の多い沖縄在来種ピンクも生で食するのに適している.
(2) 部位別では, 総ビタミンC含量は果皮>果肉>果芯の順となっており, 種子および石細胞を除くすべてを加工処理に用いるほうがよい.
(3) ピューレの加熱温度別では, ジャム加工の加熱温度の104℃で総ビタミンC含量は 79.44mg%で42.24%残存し, 加工処理しても, なおビタミンC供給源として有効と思われる.
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