日本家政学会誌
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シイタケの加熱調理過程における核酸関連物質の変動
澤田 崇子遠藤 金次
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1990 年 41 巻 5 号 p. 407-411

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抄録
生および送風乾燥シイタケの加熱調理過程での, 組織への水の出入り, RNA, Nase, Pase, および5'-Ntについて検討した.その結果は次のように要約できる.
(1) 加熱過程において, 生, 送風乾燥シイタケいずれも, 加熱温度が50~60℃を越えると吸水率の低下がみられた.
(2) RNA量は, 50~70℃の加熱温度域でシイタケ中で減少したが, 汁中へのRNAの溶出はまったくみられなかった.
(3) Naseは, 50~60℃で急速に失活したが, 生より送風乾燥シイタケのほうが, やや低い温度で失活する傾向がみられた.
(4) Pase活性は, シイタケ中で60℃前後で急速に失活した.また汁中へのPase活性の溶出は認められなかった.
(5) 5'-Ntは, 50~70℃の加熱温度域でシイタケ中および汁中で増加した.
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