日本家政学会誌
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パンおよび麺の性状に対する小麦粉のタンパク質および脂質の量的な影響について
新原 立子針谷 順子
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1991 年 42 巻 11 号 p. 983-987

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抄録

パン用粉と麺用粉を半々に混合した小麦粉から脂質, グルテン, およびデンプンを分離し, それらを再添加する方法によりタンパク質含量または脂質含量の異なる小麦粉を調製した.それらの小麦粉からパンおよび乾麺を調製し, タンパク質および脂質含量の影響を調べ, 次のような結果を得た.
(1) タンパク質含量と, パンのローフボリュームおよびゆで麺のかたさ, 凝集性, 膨潤度の間には顕著な相関が認められた.
(2) 脂質含量もパンおよび麺に影響を与えたが, ゆで麺の凝集性の場合を除き直線的な関係は認められなかった.
(3) 含量の変動率を考慮に入れたとき, タンパク質含量の影響は脂質含量に比べて大きく, パンのローフボリュームとゆで麺のテクスチャー変化をそれぞれの平均値に対する相対的な変化率で比較したとき, パンのほうが影響が大きかった.

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