日本家政学会誌
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江戸期の菓子と宮廷 (第1報)
「御用控帳」から
濱田 明美林 淳一
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キーワード: 江戸時代, 宮廷, 菓子, 菓子屋
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1991 年 42 巻 9 号 p. 783-788

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抄録

天明3年の五つの御所の御用控帳を用いて各御所の菓子の利用状態を分析した.
(1) 大宮御所は同じ菓子を何度も利用する傾向がみられ, 新女院御所は毎回異なる菓子を利用する傾向がみられた.
(2) 菓子を季節感のある菓子, 季節感のない菓子, 菓子以外の三つに分類すると, 大宮御所は季節感のある菓子をほとんど用いないのに対して, 新女院御所は季節感のある菓子を多く用いる傾向がみられた.
(3) 禁裏御所と仙洞御所は格の高い大型の単価の高い菓子を多量に用いる傾向がみられ, 他の三つの御所は, 小人数で格の低い小型で単価の低い菓子を少量用いる傾向がみられた.

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