日本家政学会誌
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東京多摩西部地区の高齢者の生活に関する研究 (第3報)
食生活
武田 紀久子大久保 みたみ高崎 禎子唐沢 恵子石川 尚子大関 政康大竹 美登利川端 博子斉藤 浩子林 隆子
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1992 年 43 巻 1 号 p. 3-13

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抄録

東京多摩西部地区 (青梅市) の高齢者の総合生活調査の一環として食生活調査を行い, 次の結果を得た.
(1) 大部分の人が1日3回の食事と, 1~2回の間食をとっていた.主食としては米飯が最も多かったが, 30%の人は夕食に麺類を摂取していた.また, 1日の平均汁物摂取は, 1.9杯であった.
(2) 緑黄色野菜, 淡色野菜, 果物, 大豆製品, 卵は毎日, 魚, いもなどは週3~4回以上摂取している人が多く, 食品のバランスとしてはほぼ良好であった.酒・牛乳以外のほとんどの食品類において, 女性の摂取頻度は男性よりも高率であった.また, 男女とも自分が食事作りをする人はしない人に比べ, 毎日の摂取頻度が高い食品類が多かった。摂取頻度の高い調理法は, 魚では, 焼き魚, 煮魚, 野菜では煮物, 妙め物であった.
(3) 主食となる料理では, うどん, 寿司, 赤飯が好まれた.主菜は, 男性には刺身, すき焼き等の馳走が, 女性には焼き魚, 卵焼き等の惣菜料理が好まれた.また, 女性は主菜よりも野菜中心の副菜を好む率が高かった.
(4) 自分で調理を担当するのは, 女性は約50%, 男性は約10%であった.
(5) 外食の頻度は月1回以上が46%を占めた.市販のおかずの利用頻度は週1回以上が約60%であり, 利用理由として男性は食品の多様性, 女性は簡便性を挙げていた.
(6) 食事の満足度は97%と高率であった.
(7) 子供と同隣居の高齢者は, 別居の場合よりも, 間食回数, 汁物の摂取量が多く, また, 米飯の摂取頻度や市販のおかず・外食の利用頻度も高かった.
(8) 子供と別居している女性は, 98%が食事作りを担当しているが, 食品の摂取頻度は高く, 市販のおかずや外食の利用頻度は低いなど, 日頃から自分の食生活に留意しているようすがみられた.

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