日本家政学会誌
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43 巻, 1 号
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  • 食生活
    武田 紀久子, 大久保 みたみ, 高崎 禎子, 唐沢 恵子, 石川 尚子, 大関 政康, 大竹 美登利, 川端 博子, 斉藤 浩子, 林 隆 ...
    1992 年 43 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    東京多摩西部地区 (青梅市) の高齢者の総合生活調査の一環として食生活調査を行い, 次の結果を得た.
    (1) 大部分の人が1日3回の食事と, 1~2回の間食をとっていた.主食としては米飯が最も多かったが, 30%の人は夕食に麺類を摂取していた.また, 1日の平均汁物摂取は, 1.9杯であった.
    (2) 緑黄色野菜, 淡色野菜, 果物, 大豆製品, 卵は毎日, 魚, いもなどは週3~4回以上摂取している人が多く, 食品のバランスとしてはほぼ良好であった.酒・牛乳以外のほとんどの食品類において, 女性の摂取頻度は男性よりも高率であった.また, 男女とも自分が食事作りをする人はしない人に比べ, 毎日の摂取頻度が高い食品類が多かった。摂取頻度の高い調理法は, 魚では, 焼き魚, 煮魚, 野菜では煮物, 妙め物であった.
    (3) 主食となる料理では, うどん, 寿司, 赤飯が好まれた.主菜は, 男性には刺身, すき焼き等の馳走が, 女性には焼き魚, 卵焼き等の惣菜料理が好まれた.また, 女性は主菜よりも野菜中心の副菜を好む率が高かった.
    (4) 自分で調理を担当するのは, 女性は約50%, 男性は約10%であった.
    (5) 外食の頻度は月1回以上が46%を占めた.市販のおかずの利用頻度は週1回以上が約60%であり, 利用理由として男性は食品の多様性, 女性は簡便性を挙げていた.
    (6) 食事の満足度は97%と高率であった.
    (7) 子供と同隣居の高齢者は, 別居の場合よりも, 間食回数, 汁物の摂取量が多く, また, 米飯の摂取頻度や市販のおかず・外食の利用頻度も高かった.
    (8) 子供と別居している女性は, 98%が食事作りを担当しているが, 食品の摂取頻度は高く, 市販のおかずや外食の利用頻度は低いなど, 日頃から自分の食生活に留意しているようすがみられた.
  • 新藤 由喜子, 青島 郁子, 飯田 文子, 満川 元行
    1992 年 43 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    アレルギー患者に対してアレルゲンになる可能性が低く, かつおいしく食べられる食物を供給することは, 毎日の食事が治療と直結することであるので非常に重要なことである.そのため, アレルギー治療中に摂取可能なパンとして, 乳製品であるバター, スキムミルク, 大豆油を原料にしたショートニング, 卵を除いたパンの製造を試みた.従来のアレルギーパンでは多量の砂糖を使用しているが, 著者らは砂糖をまったく添加しないで, 日常め食生活で使用頻度の低い (=アレルゲンになる可能性の低い) アマランサスの種子を粉末にして小麦粉に混合した食パンの製造を行った.容積率ならびに官能検査の結果からアマランサスの配合を決定し, このパンをアレルギー患者に供与し, 内科的な診断ののちアレルギー治療中に摂取可能なパンとしての適否の検討を行った.
    (1) アマランサスパンにおけるアマランサスの添加量は3, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40の割合 (%) で検討したが, アマランサス3%添加のものは対照の食パンの440より高い463という容積率であった.アマランサスの添加量が多くなるに従い容積率が低下したが, アマランサス添加量30%以下のものは, 容積率の良い基準とした250を上まわって, スポンジ性の良いパンが製造できた.
    (2) 容積率の結果からアマランサス25, 30, 35%添加の3種のパンについて官能検査を行った.これによると25%添加のパンはすべての項目に対して非常に良い結果が得られたが, 30%添加のパンも「色, 香り, 口ざわり, 総合評価, アレルギー患者の常食として」の項目で3点以上の評点が得られ, アレルギー治療中に摂取可能なパンとして受け入れられると判断した. 35%添加のパンはアレルギー治療中に摂取可能なパンとしてふさわしくないと考察された.
    (1) と (2) からアマランサス30%添加パンをアレルギー治療中に摂取可能なパンとした.
    (3) アマランサス30%添加パンがアレルギー治療中に摂取可能なパンとして適していることを判定するため, アレルギー患者26人に供与し, 内科的臨床検査を行った.このパンの試食後, アレルギー専門医による診療の結果, このパンの試食によるアレルギー症状の増悪を示した被験者は皆無で, このアマランサスパンはアレルギー治療中に摂取可能なパンとして適することが明らかになった.
    (4) アンケート方式によるアレルギー患者のアマランサス30%添加パン試食後の評価の総括では, 全体として良い評価をした人62%, 悪い評価をした人 23%, どちらともわからない人15%で, このアマランサス 30%添加パンがアレルギー治療中に摂取可能なパンとして十分受け入れられるという結果が得られた.
  • 峰 弘子, 増原 加津美, 田村 咲江
    1992 年 43 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ホウレンソウの貯蔵による葉緑体の形態変化を明らかにするため, 貯蔵方法と温度を変えて3日間貯蔵した試料の成熟葉を, 光顕と電顕により観察し, その結果と葉緑素量の変化を合わせて検討した.
    (1) 葉緑体の形態は, 3日間の貯蔵により, いずれの貯蔵条件においても変化することが認められた.貯蔵温度は高いほど退化が速くすすみ, また, 包装条件では無包装の場合に退化の速いことが認められた.包装袋の使用は, 葉緑体の形態変化の遅延からみても有効であるといえる.いずれの貯蔵条件においても, 葉緑体の退化過程では同様の形態変化がみられた.
    (2) 葉緑素の測定結果は, 葉緑体の形態変化とよく一致し, 葉緑体の退化の程度がすすんだものほど葉緑素の残存率が低下していた.
    以上の結果から, 貯蔵による時間経過や環境変化によって葉緑体の形態に変化が起きることがわかった.
  • ショウガ香気成分とスライスショウガの影響
    河村 フジ子, 岡田 真美
    1992 年 43 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    新・古の各ショウガの水煮香気成分の同定と水煮香気成分およびスライスショウガのラードに対する抗酸化力について検討した結果を要約すると次のようになる.
    (1) ショウガ水煮香気成分として, 新たにlinalyl propionate, 2-undecanone, citronellyl acetate, α-copaene, α-cubebene, nerolidol, farnesol, α-cedrolを同定した.
    (2) ラードにショウガを加えて水煮すると, ショウガ水煮香気の主要成分であるcitral, geraniol, geranyl acetateが顕著に減少する, そのうち, geranyl acetate は新ショウガに多い成分である.
    (3) ラードに対するショウガ水煮香気成分の抗酸化力は, 古ショウガはわずかであるが, 新ショウガは, かなり顕著である.
    (4) ラードに対する標準物質の抗酸化力は, citral, geraniol は eugenolと同程度であるが, geranyl acetateは, これらより顕著である.
    (5) ラードの水煮に対して, 生スライスショウガは強い抗酸化力を示した.その程度は新ショウガのほうが古ショウガより顕著である.
    (6) スライスショウガを水煮すると, 30分以内に抗酸化力は急速に低下する.
  • -女性の下着の衣生活を中心として-
    岡田 宣子
    1992 年 43 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    自己の体つきの意識と体つきに配慮する生活行動とのかかわりを, 下着の衣生活を中心に検討するため, 質問紙調査に基づき数量化第III類を用い考察した.対象は20歳前後の女子400名とその母親366名である.調査は1985~1988年の5~6月に実施された.
    (1) 各解析項目の検討から, 体つきに配慮する生活行動を食生活やスポーツに求める人は, 娘, 母親ともに20%を占めている.これに対し, ブラジャーおよびガードルに整容効果を求める人は母親60%, 娘45%で, 体つきに配慮する生活行動を衣生活に頼っている現状が明らかになった.
    (2) 胸囲, 胴囲, 腰囲を大きいと意識する者は, 痩せるために食生活やスポーツにも体つきに配慮する生活行動を起こしている傾向がみられた.
    (3) 娘と母親とは胸囲に対する意識構造が異なり, ブラジャーの着用行動には明白な相違が認められた.
    (4) ガードルの着用行動には娘と母親はともに類似した傾向が認められた.
    (5) ファウンデーションの着用による弊害経験が, 実生活でブラジャーおよびガードルを着用しないとする行動とかかわっていることが明らかになった.このことは, 肌に密着したファウンデーションの生体に与える影響の大きいこと, ブラジャーおよびガードルの適正な活用のたいせつさを示唆しているものと思われる.
  • 服装評価次元の解釈の妥当性の検討
    藤原 康晴, 川端 澄子, 近藤 信子
    1992 年 43 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    前報において, 各種の服装を60個の用語を用いて評定し, その結果の多次元尺度分析によって服装評価の3次元「派手/地味」, 「カジュアル/フォーマル」, 「上品/下品」を抽出した.本研究では, これらの次元の解釈の妥当性を検討するために, 各評価用語の各意味尺度上での評定平均値を従属変数として用い, 多次元尺度分析の結果得ていた各評価用語の1~3次元座標値を説明変数として重回帰分析を行った.その結果, 得られた各意味尺度軸を3次元空間に写像して各次元のもつ意味を考察した.
    重相関係数はいずれの意味尺度についても高く, 各意味尺度が用語の布置の座標によく当てはまっており, また, 各意味尺度軸は該当する次元軸に近接して写像され, 前報の次元の解釈が妥当であったことが示された.
    また, これらの意味尺度軸は直交せず, 「派手」側, 「カジュアル」側, 「下品」側が互いに接近した斜交軸を与えた.この服装評価軸の斜交は, 服装評価において, 「派手」と評価される服装は同時に「カジュアル」, 「下品」とも評価される傾向があることを示しており, 服装評価の実際をより正確に表現しているといえる.
  • 小倉 ひでみ, 長谷川 玲子, 船坂 鐐三, 小瀬 洋喜
    1992 年 43 巻 1 号 p. 53-61
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 角田 由美子, 今井 哲夫, 岡村 浩
    1992 年 43 巻 1 号 p. 63-73
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 寺内 礼
    1992 年 43 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 1992/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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