日本家政学会誌
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食品表面に対する放射伝熱の効果
渋川 祥子杉山 久仁子
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1992 年 43 巻 10 号 p. 1013-1018

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抄録

食品表面の着色に放射伝熱が有効であることの理由を明らかにするために, 食品と金属の受熱速度の比較を行った.
本研究では, クッキーと鉄板を二通りの加熱方法 (放射伝熱 (RAD) と対流伝熱 (CON)) を用いて200度で加熱した.受熱速度を計算するために, クッキーでは水分蒸発を, 鉄板では表面温度を測定した.その結果放射伝熱で加熱したクッキーの受熱速度は, 対流伝熱で加熱したクッキーやそれぞれの方法で加熱した鉄板の受熱速度より速かった.この現象を説明するために, クッキー表面の放射率の測定を行った.放射率は, クッキーの加熱時間と共に増加することはなく, 放射率が放射伝熱方式の有効性の原因ではなかった.

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