日本家政学会誌
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団子の粘弾性に及ぼす成分 (糯米粉, 粳米粉, 水) 相互作用に対する米粉粒度の影響
勝田 啓子
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1992 年 43 巻 5 号 p. 401-411

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抄録
一般に, 団子が糯米粉, 粳米粉, 水の3成分で構成されていることから, Schefféの3成分系の単純格子計画法を用いて, 粒度の異なる団子の粘弾性に対する成分の相互作用について検討し, 以下の結果を得た.
(1) 糯米粉, 粳米粉, 水の中で団子の粘弾性に最も大きな影響を与えるのは, 水であった.
(2) 糯米粉と粳米粉では, 粳米粉の方が団子粘弾性により大きな影響を与えた.
(3) 水が少ないときには, 糯米粉と粳米粉の配合の変化は, 団子の粘弾性に大きな影響を与えなかった.また, 米粉粒度が変化しても, 粘弾性変化はほとんどみられなかった.
(4) 粳米粉と水の相互作用より, 糯米粉と水の相互作用の方が団子の粘弾性に大きな特徴が現れ, 粘性率, 弾性率には相殺作用が, 歪には相乗作用が現れることが多かった.
(5) 団子の粘弾性挙動はVoigt体によって大きく支配されていると考えられ, 粳米粉と水との間には相殺作用が現れるのに対し, 糯米粉と水との間には非常に顕著な相乗作用が現れた.
(6) 米粉の粒子が小さい方 (特に200mesh以上の場合) が, 成分配合比の影響を大きく受けたが, 60~100meshの荒い粉で調製された団子は成分配合比の依存性が低く, 相乗・相殺作用の現れないことの方が多かった.
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