日本家政学会誌
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中国雲南省西双版納の竹筒酸茶の風味成分と微生物について
田村 朝子加藤 みゆき大森 正司難波 敦子宮川 金二郎楊 崇仁周 分華
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1995 年 46 巻 8 号 p. 759-764

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抄録
後発酵茶は, その製造工程により3種類に分類される.その一つは好気的カビ発酵茶, 二つめは嫌気的バクテリア発酵を行うもの, もう一つは好気的カビ発酵の後, 嫌気的バクテリア発酵を行うものである.後発酵茶の化学的, 微生物学的な特性の調査を行うために, われわれは中国雲南省で, 二つめのタイプに分類される後発酵茶, 竹筒酸茶Iを採取した.本論文では, この竹筒酸茶Iの風味成分と微生物について報告する.有機酸としては, 乳酸が最も多く見出され, その他シュウ酸, 酢酸, コハク酸, 酒石酸も検出された.カテキンとしては, エピカテキンが最も多く含まれていた.微生物については, 多数の嫌気性菌と好気性菌が分離・同定された.後発酵茶の微生物の特徴としては, 発酵のために, 嫌気性, 好気性, 両タイプの乳酸菌が多数存在することである.
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