日本家政学会誌
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3種のイカ肉の加熱によるテクスチャー変化
香川 実恵子木村 早智松本 美鈴畑江 敬子
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2000 年 51 巻 11 号 p. 1037-1044

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抄録
3種のイカの加熱によるテクスチャー変化について, 官能検査, 物性測定を行った.その結果, 以下のことが明らかになった.
(1) 官能検査の結果, アオリイカでは2~5分間加熱で, スルメイカでは1~5分間加熱で, ヤリイカでは1分間加熱で, 最も硬く, 弾力性があると判定された.これらの加熱時間は, 内部温度が80℃に達する時間と一致していた.
(2) 加熱によりどのイカもいったん硬化した後, 軟化した.ヤリイカは速やかに軟化し, スルメイカは軟化の開始がヤリイカに比べて若干遅いものの, 30分後にはヤリイカと同程度に軟化した.アオリイカは, 他のイカに比べると加熱による硬化が著しく, その後の軟化もゆるやかであった.
(3) 表皮第3, 4層は, アオリイカが最も強靱で, 加熱による硬化が著しかった.また, ヤリイカは最も表皮が脆く, 短時間の加熱で軟化し, 歯切れが良くなった.
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