本研究では,文化的知性を構成する要素間の関係について明らかにするとともに異文化に適応するための行動につながる心理的習慣を探ることにする。まず,要素間の関係について分析を行った結果,メタ認知CQが認知CQと動機CQと行動CQに,また,認知CQが動機CQと行動CQに与える影響が確認された。そして,心理的習慣について,メタ認知CQと認知CQの各質問項目を独立変数,行動CQの各質問項目を従属変数とした回帰分析を従属変数ごとに行った。その結果,異文化に適応するための行動をとるためには,メタ認知,すなわち文化に関する自らの知識に意識を向けて修正をするという心理的習慣の重要性が示唆された。