日本国内で入手した13品種のキウイフルーツを用い, 果汁によるゼラチン分解作用を評価した結果, ホート16Aおよび香粋において, ゼラチン分解作用が顕著に小さいことが示された.これらの中で, 緑色果肉品種である香粋について, 果汁中のプロテアーゼ活性を測定したところ, ヘイワードの6%以下であることが判明した.そのため, 生の香粋果肉をスライスあるいはピューレーとして加えても, ゼラチンゼリーを作製することが可能であった.香粋ピューレーを50%加えたゼラチンゼリーでは, そのプロテアーゼの影響により, ゼリーが若干軟らかくなったものの, ゲル強度の低下率は4~10%に止まった.これらの結果より香粋は, 従来の主要品種であるヘイワードとは異なった調理・加工への応用が可能であると考えられた.