抄録
情報化の進展はわれわれの生活を大きく変えた.情報は生活の構成要素として大きなウェートを持ちながら位置付いており, ひとりひとりが高い情報倫理を持つことがゆたかな生活の構築に必要な条件と言えよう.本稿では, インターネットをめぐる情報倫理に焦点をあて, 情報の受信者であると同時に発信者でもある生活主体が, どのような情報倫理意識を持ち行為しているのか, またこれに影響をおよぼす要因は何かについて明らかにすることを試みた.大阪府下の大学生を対象に質問紙調査を実施し (有効回収票493票), インターネット上での情報倫理の意識と行動の実態, さらに日常生活におけるモラル, 共感性, 刺激欲求性およびインターネット利用頻度を調べた.主な結果は以下のとおりである. (1) 日常生活において道徳的に考えふるまうひとは, インターネット上でも倫理的に良好な意識・行為を示している, (2) 共感性の高いことは情報倫理の良好さと関連している, (3) 刺激欲求性の強いひとはインターネット上で非道徳的な行為をおこなう傾向にある, (4) インターネット利用頻度の高さはインターネット上での非道徳な行為の経験と関連している.